喘息治療を侮ることなかれ。

このブログへご訪問くださりありがとうございます。手芸が趣味の三姉妹の母Imoanです。今日は前のブログの続きになります。長女(小6)が数日前に熱を出し、肩で息をして、GW中に入院した時と同じような症状になりました。

長女は先天性の心疾患(両大血管右室起始症 DORV)と肺疾患(先天性嚢胞性腺腫様肺奇形 CCAM)を併せ持って生まれてきました。先月は肺炎球菌感染症からの気管支炎で入院し、退院後に低酸素血症が進行しています。

咳をしているわけではなかったですし、喘息の喘鳴も聞こえてきませんでしたが、先月入院した時はどうだったかな?と思い返すと、入院する直前に駆け込んだ小児クリニックで気管支拡張剤を吸入をしてもらうと一時的にサチュレーションが上がり、医師からは「吸入前は気管支が充分に膨らんでいなかったようで喘鳴が聴こえなかったが、吸入後に聴こえるようになった。」と言われたのでした。結局その時はその後に再度吸入をしても努力呼吸をして呼吸が苦しそうだったので、大学病院へ回されて入院したのでした。

あの時「気管支が充分に膨らんでいない。」と言われていたのがずっと私の中では引っかかっていて、入院した時も心臓外来でもお医者さん達に説明する度に話していますが、、、、低酸素血症の進行はこれと関係しているんじゃなかろうか?

前から「喘息の症状が酷い時はお母さんの判断で吸入しても良い」と、喘息の先生から気管支を拡張する吸入薬を処方してもらっていました。吸入器もあるので、まずはそれを吸入してみました。効果はあるのかないのか、私には胸の音を聴いて判断する技術がないのでさっぱりわかりませんが、本人は「少し楽になったような・・・気がする。」と言いました。

記憶を過去にさかのぼってみますと、2~3年前にも入退院を繰り返していた年があって、あの時は喘息を抑える吸入薬フルタイドの形態をディスカスから幼稚園時代に使っていたエアゾールタイプに戻してもらったら改善されたのでした。幼稚園時代は調子が良かったのに何でだろう?と考えると、フルタイドの形態が変わってから調子が悪くなったことに気がつき、先生にそれを話したのがきっかけでした。長女は吸う力が弱く、うまく吸えていなかったのが原因でした。それ以来、6年生になってもエアゾールタイプを小さい子が使うエアロチェンバーという筒の補助器具を使って吸入しています。

それでも昨年も冬から春にかけて喘息の発作が続いていて、その時は吸入量を増やして改善されたのでした。そう言えばその時、もし薬の量を増やして効果がなければ、もっと強い喘息の薬に変えてみても良いかもしれない、と先生がおっしゃっていたのを思い出しました。しかもそれが心臓の薬に影響がないか心臓の主治医にも確認してくれていたのでした。結局その時は改善されたのでそれっきりでしたが、もしかしたら喘息の薬を強いものにしてもらえば今の状態は改善されるかもしれません!!勝手に私の中で答えが見つかったような気になりました。

I先生の外来予約は2週間後でしたが、それまで待てません。大学病院のホームページで外来担当表を確認すると、この日は初診外来の枠に先生のお名前がありました。病院へ電話をすると受付の方からは「初診外来は初診の患者さんしか診られないので他の先生になります。」とお決まりの台詞を言われてしまいました。入院していたことを話しても答えは変わりません。それでも行けばI先生に診てもらえるかもしれないし、違う先生でも話せばその場でI先生に確認して薬を変えてもらえるかもしれません。

歩くのも辛いと言うので、車イスを久しぶりに出して、タクシーをつかまえて急いで向かいました。車イスは心臓病の先輩から何かの時にあると便利だからと譲り受けたものでした。こんな時にとても助かります!

病院で熱を測ると39度ありました。本人も車イスに乗ってグッタリしていて、受付でまたお決まりの台詞を言われましたが、長時間待つという条件でI先生を希望できました。それでも他の先生になる可能性もあるとのことでしたが、ちょうど先生の診察室が隅っこで、診察室の真ん前のベンチの横に車イスも置けるスペースがあったので、そこでひたすら待ちました。

お昼を過ぎた頃に、先生が診察室から出て来られました。その時に「あれ?」と気がついて、「今日はどうしたの?診察は誰先生?え?私?」と聞きながら、すぐにその場で聴診器を胸に当て、症状を聞いてくださいました。そうこうしているうちに先生の隣りの診察室から長女の名前が呼ばれましたが、「あれ?今隣から呼ばれました?待たせて申し訳なかったですね~。私が診ますよ!」と言って、隣の診察室の先生と交替してすぐに診てくださいました。

診察室で再度胸の音を確認し、その後、先生はよ~く話を聞いてくださいました。気管支炎で入院した時の経緯から、その後の心臓外来でサチュレーションが低くなっていたこと、それについて主治医からは血液量の減少から低酸素血症が進行していると診断されたこと、ドクターストップで運動会の競技に参加できなかったこと、この日の朝は処方してもらっていた気管支拡張剤を吸入してきたことなどを話しました。心臓外来での血液検査の結果も持参していたので、それも先生に見てもらいました。

そして本人にも「今日は辛いかな?」と聞いてくれました。すると「そうでもないです。いつもと変わらないです。」と答える長女にズコーッですが、「車イスで来ているっていうことは大丈夫じゃないよねぇ?」と先生にはバレています。しかし長女が「入院したくないんです。。。」と思っているのが伝わったようでした。

サチュレーションを測るとこの日は83%ありました。「なるほどなるほど。気管支を拡張する吸入薬は一時的に効果があるんです。しかし時間が経つと効果が無くなります。どうも話を聞いていると喘息の管理が上手くできていないようなので、薬を強いものに変えてみましょう。既に心臓の先生にも確認していますし、もしそれでも効果がなければまだ更に強い薬が注射になるけれどあるのでね。それで様子を見てみましょう!」と先生から期待通りの診断を受けました。

しかしこの日は高熱まであって辛そうなので、まずは血液検査をして、心臓の主治医の先生の診断も正しいだろうからたっぷり水分を点滴し、ステロイドも投与しましょうとなりました。ここで午前の診察時間が終了し、午後は専門外来が始まるので場所を4階から1階の救急外来へ移らなければいけませんでした。「場所は変わりますが、診察の合い間に私降りますのでね。私が最後まで診ますから安心してください。」と言ってくださり、娘にも「大丈夫だからね!」と宣言してくださいました。お陰で娘も私も安心しました。この日は何だかI先生がキラキラして見えました。ありがたや~!!!

その後、点滴を受けながら売店で購入したスープを飲ませ、少しずつ元気を取り戻しました。途中で先生が来てくださり、ベンチで血液検査の結果を詳しく説明してくださいました。炎症の値が出てはいるけど、入院するほどではないし、喘息の薬をいつものフルタイドと新たにアドエアという薬を併用して様子をみることになりました。

サチュレーションはまた77%に下がっていて、気管支拡張剤を吸入した効果が時間が経ってなくなったのだと考えられます。先生は二日後の外来予約をしてくださいましたが、その日は先生いらっしゃらないそうで、内心ズコーッとずっこけちゃいましたが、ちゃんと申し送りしておくので大丈夫だそうです。I先生はマスコミなどにも登場するようなとてもお忙しい先生なので、この日こんなに丁寧に診ていただけただけでラッキーでございます。先生は最後、長女に「ご飯も薬だからね。しっかり食べて元気になるんだよ。点滴が終わったら家に帰って良いからね。」と声をかけて専門外来へ戻って行かれました。やっぱりこの日は先生がキラキラして見えました。

自宅で安静にして二日後の外来には電車と徒歩で病院に行けました。病院へ着いて間もなくサチュレーションを測ると85%あり、看護師さんと一緒に「良かった~。」と安堵しました。I先生とは違う先生の診察でしたが、喘息を抑える吸入薬を追加した効果がみられるとのことで継続になりました。

ついでに「咳や喘鳴が聞こえなくても気管支が狭くなっていることはあるのでしょうか?」と質問をしました。喘息とは気管支が炎症を起こして狭くなっているところを呼吸して取り込んだ空気が通るので、隙間風と同じようにヒューヒューと音がするのが喘鳴だそうです。気管支は常に荒れて腫れぼったいような状態で、それを抑えるのが吸入薬なのだそうです。気管支が狭くなっていると自然と取り込む空気も少なくなるのでサチュレーションも下がったと考えられるのでしょう。とのことでした。とても解りやすい説明をしていただきました。

それから数日が経ちましたが、とても調子が良さそうです。風邪の症状も少し続いていますが、抗生物質を飲まなくても良さそうです。低酸素血症が進行していた不安も、これでしばらく解消されそうです。心臓の主治医の先生も次回の外来でサチュレーションがいつも通りに上がっていれば喜ぶだろうなぁ♪

喘息治療を侮ることなかれ!長女の場合はサチュレーションが下がる要素が色々あって、喘息もその大きな原因の一つであるということを肝に銘じて、また元気に過ごせると良いなと思います。心配してくださった皆様、いつも応援をありがとうございます。今日も読んでいただきありがとうございました。

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