普通級か特別支援級か迷ったら読んで欲しい長女の場合1:入学当初の学習面の悩み

手芸が趣味の三姉妹の母Imoanです。ネットでは時々、発達に心配のあるお子さんを持つ保護者に向けて「子供のことを考えたら特別支援級を選ぶべき。」とか「親のエゴで普通級を選ぶな。」などと否定的な意見を目にします。しかし、発達がボーダーダインで心臓病と肺疾患の障害もありながら、普通級で毎日それなりに楽しいという表情で学校へ通う長女(小5)のような場合もあります。昨日は合唱団のNHKコンクールの予選があり、合唱団の一員としてみんなと心を合わせて気持ち良く合唱してきました。普通級だからこそ経験できていることです。

学習面で苦労しているという現実があるので普通級が絶対に良いなんてことは言えませんが、「普通級もありなんだよ。」という意見も加えてみて欲しいなと思います。今日から何回かに分けて長女が普通級でどんな風にやってきてるかについて書いてみたいと思います。

長女は入学前の就学相談では学習面を危惧されましたが、普通級を勧められました。主人も私も特別支援級がどのようなものか実際の所を全く知らなかったので普通級を希望していましたし、また娘に関わる医師や先生方もみんな普通級を勧めてくれていました。

そんなわけで学区で決められていた地域の公立小学校へ入学しました。小学校入学前には就学相談の結果を持って校長先生と副校長先生、養護の先生と親子で面談を受けました。またその学校には特別支援級はないのですが、「ことばの教室」という言葉に関する発達のみが遅れている児童を対象に通級クラスがあることから、そこの先生も同席されていました。主に病気のこと、幼稚園ではどんな様子だったかを聞かれて話しました。その間、長女は私の隣でお絵描きをして待っていました。その際ことばの教室の先生からは発達検査の数字が懸念されて不安になりましたが、校長先生からは入学を楽しみにしていると言ってもらえて安心したのを覚えています。

入学をして、担任の先生は娘がすぐに好きになりそうな優しい女の先生でした。養護の先生もとても優しくて、長女にとってはそれだけで充分学校が安心できる場所になったと思います。実は小学校入学を前に、老々介護が辛いという義母の希望で私達は主人の実家へ引っ越したので、長女は全く知り合いが一人もいない状況からの小学校生活スタートでした。大人に話しかけるのは慣れているのですが、なかなか同級生には自分から話しかけられなかったようです。それでも長女は新しい場所で新しいことをするのが楽しいと感じるような気質なので、新しいお友達と出会ったことを素直に喜んでいましたし、お友達と遊べた日はとても嬉しそうでした。

それからその小学校には偶然もう一人長女と同じように心臓病がある同級生がいました。お互いに似ている所もあり、二人は入学してすぐの全校朝会で校長先生が全校生徒に紹介してくれたそうです。娘の話では「心臓病があるから、みんなも気を付けて見てあげてくださいね。」というようなことを言ってくださったようです。そのお陰もあって、上級生の方達からも学校でとてもよく面倒を見てもらっていました。各学年一クラスか二クラスの小さな小学校なのも長女にはとても合っていました。

これだけを読むと普通級で健康なお子さん達と同じように楽しんでいるようで、学校の先生方の対応にも恵まれて本当に良かったと思うのですが、学習面ではとても苦労しました。

小学校に入る前は自分の名前だけは書けるようにしましたが、それ以外は教えようとしてもなかなか上手くいかず、読める文字も「おかあさんといっしょ」など好きなフレーズを塊で覚えて読むくらいで、なかなか難しい状況でした。小学生のお子さんを持つママ友達の話では小学校に入ったら授業でゆっくり進めるから大丈夫だよ、なんて励まされていましたが、長女は発達遅滞と言われるだけのことはあって、そんなレベルではなかったんだと入学をしてから痛感しました。

今年一年生になった次女の場合は連絡帳に板書を写すのが1学期の終わり頃から始まりましたが、長女の時は割とすぐの時期から始まり、それを書くことがとにかく困難なようでした。また毎日出るひらがなと算数の宿題プリントだけは必ずさせるようにしましたが、私が横についていないと一人では出来ないほど飲み込みも覚えも悪く、宿題を終わらせるのにとても時間がかかりました。

当時は入学の一か月前に生まれた三女とまだ幼稚園に入る前の次女を抱えて、義母と同居し始めたばかりで私自身がとても大変な時期だったので、長女の宿題を見る時間を作るだけでも苦労しました。これがもし特別支援級に通わせていたならば、宿題をさせるためにこんなに苦労をしなくても良かったのかもしれないと、特別支援級がどのようなものかを全く知らずにただただ考える時もありました。

そんな時に学校で「目の教室」と言って視覚に問題のあるお子さんが訓練を受けられる通級クラスの相談会があるというプリントを持って帰った時があり、相談に行ってみたことがあります。娘は視力が若干低く、遠視と乱視で眼鏡をかけています。焦点を合わせる矯正をするための眼鏡ですが、目の訓練を受けたら少しは板書を書き写すことも楽になるかもしれないと思って相談に行ったのですが、、、結果は視力がそこまで低いわけではないので、訓練を受けたら良くなるはずだけれど残念ながら目の教室の対象にはならないということでした。しかし良いヒントをもらって帰りました。

ひらがなをバランス良く上手に書けない理由の一つに、ノートのマス目がよく見えていないことが挙げられるので、ノートのマス目をボールペンでなぞってはっきり見えるような形にしてあげるだけで書きやすくなるはずだと教えてもらいました。そのうち定規を使うようになったら目盛りがはっきりとわかる物が販売されているので、そういうものを選んで工夫してあげると良いとのことでした。

また板書を写すのが困難なのは、黒板を見た後にノートを見ると遠視と乱視という目の特徴で焦点を合わせるのが難しいのだろうということでした。目が慣れるまでしばらくは難しいだろうから、そういう場合は隣の席のお友達にノートを見せてもらうと写しやすいかもしれないということでした。

また宿題の問題を読むのも嫌がるという話をすると、字が小さくて見えにくいこともあるとのことでした。そして「学校できっと物凄く頑張ってるんだから、宿題くらいお母さんが読んであげたら良いですよ。それで時間も短縮できれば一石二鳥で良いですよ。」と言われて、私もはっとしました。

問題を読ませるのも訓練で、それをサボったら学校で出来なくなるみたいな、変なプレッシャーのようなものを感じながら宿題に取り組ませていたのかもしれません。言葉の教室の先生のお陰であまり宿題を堅苦しく考えなくても良いのかもしれないと気付きました。アドバイスの通り、宿題の問題を読んであげるだけで、すんなり宿題プリントが解けるようになることもありました。

子供のことで一生懸命になると真面目になり過ぎて子も親も大変になってしまうことがあるかもしれません。そんな時は一人で悩まず相談できる場所を見つけると、すーっと楽になるアドバイスをもらえることもあると思います。目の教室でもらったアドバイスは目から鱗でした。もし小学校に入学したばかりで同じような悩みを抱えていらっしゃる方がいましたら、ぜひ実践してみてください!

算数の問題を解くのも苦労しましたが、それについての対応策はまた次のブログで書きたいと思います。今日も読んでいただきありがとうございました。