普通級か特別支援級か迷ったら読んで欲しい長女の場合3:教え方の工夫と先生

手芸が趣味の三姉妹の母Imoanです。我が家の長女(小5)は心臓病と肺疾患による障害と発達の遅れがあります。小学校へは就学相談を経て地域の公立小学校の普通級へ入学しましたが、当初から毎日の宿題を一人では解けませんでした。今日は1~2年生の頃の学習の取り組み方について振り返っていきます。

長女は宿題が難しいと言っても勉強が嫌いではなくて好きでした。学校でも意欲は担任の先生にも伝わっていましたが、習得するペースが学校のスピードと合わなくて、教えるのに苦労しました。娘がわかりかけた頃に学校は次の単元に進み、完全に理解できないまま、どんどん学校の授業が進んでいくようでした。

この状況を少しでも改善できればと、1年生の夏休みの少し前から地域のシルバー人材センターに依頼して、元東京大学教授の算数学者のおじいさん先生が週に一度来てくれることになりました。

算数は暗記するなどの方法もあるそうですが、学び始めは具体的な物の数を数えていくのが大事だそうです。小さなボーリングのピンのおもちゃを持ってきてくれて、足し算引き算を教えてくれました。それまで数字を見ても頭の中になかなかイメージを描けないようでしたので、具体的に数を数えながら何となく足したり引いたりするというのがどういうことかわかっていったかもしれません。

ただ、先生がとても優しいので、長女は甘えてお喋り相手にさせているような所がありました。毎回その日の学校の宿題を先生に教えてもらうのが目的なのに、娘のお喋りが弾み過ぎて宿題が終わらない…なんてことがよくありました。先生はいつも「Tちゃんには負けてしまうなぁ~」と笑ってくれて、それはそれでありがたいのですが、、、授業料が勿体ない気持ちになり、半年ほどで契約終了となりました。

そして今度は、自宅から電車で通える地域に発達障害や学習障害のお子さんを対象とした教室を見つけました。体験授業を受けると本人がとても気に入ったので、週に一度通わせてみることにしました。

算数だけでなく、漢字をバランス良く書けなかったりなかなか覚えられなかったりということにも悩みが出てきていたので、ビジョントレーニング的な指導も含まれていることに魅力を感じました。長女は遠視と乱視のため矯正の眼鏡をかけています。どうも見え方に問題があるようでした。

当時はまだ出来て間もない塾だったので生徒が少なく、学年別の学習クラスと言いながら先生と長女だけのマンツーマンでした。

教室の外には保護者が授業風景をモニターで確認できるようなシステムになっていて、私もどんな教え方が長女に効果的なのかを学ぶことができました。下の妹達も連れて毎週電車で通うのは大変でしたが、色々と参考になる情報を得ることができました。

最初は淡々と教えてくれる関西弁の男の先生が担当になりました。良くも悪くも娘がお喋りを楽しむような雰囲気はなく、淡々と一時間の間に漢字を数文字と、そこの塾で用意してくれている国語の問題、算数の問題を解いて基礎を学びました。時々、宿題も指導してもらいました。授業終了後はその日に学習した内容と、どんな風に指導したら解けたとか、ここは本人の力で解けたとか、報告を先生から聞くことができました。

最初に目から鱗だったのは、漢字の短い線と長い線の区別をつけさせるために先生が娘に説明したセリフです。「ここはめっちゃ長く」「今度はめっちゃ短く」など大袈裟に「めっちゃ」をつけると、ちょうど良い具合で書けたのです。私がいくら教えても上手く書けなかったのに、「めっちゃ」をつけるだけで娘にすーっと伝わったのですね。

長女の学習はそれまで私が子供の頃に学校で教わったように教科書を開いて教え込んでいました。しかし、きっと教科書通りの教え方ではピンと来なかったんでしょうね。娘の覚えが悪いのは私の教え方に問題があったんだと気がつきました。

そこの教室では教え方の色々なテクニックを先生達が学ばれて実践され、それを家庭学習でも取り入れられるように情報を共有させてもらっていました。

それから娘が2年生になる頃、担当の先生が若い女性に代わりました。基本的な教え方は最初の男の先生の時と変わらないのですが、丸の付け方と問題を解けた時の反応の仕方が全く変わり、長女のやる気スイッチがついに押されました!

その女の先生は花丸の代わりに簡単な動物のイラストを描いてくれたり、誉める時にも「すごーい!やったね!」など若い女性らしい高い声で言ってくれていました。先生の容姿もゆるふわなロングヘアで可愛い雰囲気があり、長女は可愛いものが大好きな女子ですから、すぐに先生にメロメロになりました。長女のやる気スイッチってそこ~!?そりゃ私じゃダメなはずです💦

長女が好きになった先生なので、私も先生と話しやすく、まだその教室の先生になって間もない様子でしたが、先生は娘と私の期待にとても応えてくれました。その年の夏休みの宿題も、その後の九九も、九九を使った割り算も、先生のお陰で何とかつまづかないで勉強できました。

先生が好きという気持ちがあると、こんなにもやる気が出てくるものなんだと思い知らされました。

残念ながら教室では長い期間をずっと同じ先生に教わることが許されず、先生は一年ほどで移動となりました。その後半年ほどで、長女と私は少し勉強のコツを覚えて自信がついてきたこともあり、次のステップへ向けてその教室を卒業しました。

5年生になった今は、学校の授業がますます難しくなり一喜一憂しながら学習に取り組んでいますが、この可愛い先生と頑張った日々が基礎となって今に繋がっています。

我が家と同じようにお子さんの学習面で悩まれている方がいらっしゃいましたら、何がきっかけになるかわかりませんので、どうか諦めないでコツコツとサポートを続けてみてください。そして出来るだけ色々な人からアイデアをもらうと、自分一人では思い付かなかった方法に出会うこともあります。色々と試してみて欲しいなと思います。

今日も読んでいただきありがとうございました。