肢体不自由の特別支援級で良かったこと③みんなをリスペクト

このブログへご訪問くださりありがとうございます。手芸が趣味の三姉妹の母Imoanです。先天性の心疾患と肺疾患のある長女(中1)は、小学校の6年間を普通級で過ごし、中学から肢体不自由の特別支援級へ通っています。今日はそこで良かったと思うこと第3弾です。

良かったと思うこと、それは同じクラスの生徒さん達です。長女のクラスには1年生から3年生まで計8名の生徒がいて、科目によっては二つか三つのグループに別れたり、学年毎の活動がある時は別れるようですが、基本的に朝のホームルーム活動から一緒に過ごします。全員、自宅から学校までは送迎バスを利用しますが、ルート毎に小さなバス3台に別れて乗ります。

長女は先生方にとって初めての酸素をつけた生徒だったので、入学して最初の1週間は教室の後ろや隣りの部屋で私の待機が必要でした。バスにも教育委員会からのお達しで二週間ほど同乗しなければいけませんでした。その間にクラスの雰囲気がどんな様子なのか拝見させてもらうことができました。

生徒さんは皆、何かしら手足に障害があり、車椅子の生徒さんもいます。教室には生徒の他に、大人が担任の先生2名と、支援員さんと介添員さんが生徒と同じくらいの人数いて、授業中も休み時間も一人に一人ついているような感じで支援をしていただいていて、教室はちっとも寂しい感じはありませんでした。

中学校には小学校で一緒に過ごした同級生達のように元気な生徒さん達も沢山いて、通常級と呼ばれるクラスが各学年3~4クラスあります。学校行事は一緒に参加します。元気な生徒さん達と同じ教室ではないこと、その人たちのクラスを通常級と呼ぶこと、そういったことに娘は入学して間もない頃は違和感を覚えていたかもしれません。緊張もしてたと思います。二日目と三日目に泣いてしまったという話は前の前のブログに書きました。慣れるまで少し時間がかかるかなぁと思っていました。

そんなある時、同じバスで通う3年生の先輩が、帰りのバスで私に声をかけてくれました。「今日、数学でTちゃんがいっぱい答えてすごかったんですよ~。W先生に褒められてました。Tちゃん毎日よく頑張ってるから、今日も疲れてると思います。」と教えてくれたのです。それから娘がバスを降りる時に先輩が「Tちゃ~ん、バイバーイ!」と声をかけているのに、娘は会釈するだけで声を出さないのです。それで「声を出さなくてすみません。」と私が先輩に言うと、「良いですよ~。きっと緊張してるんですよ~。」なんて言ってくれるのです!教室で先輩方がしっかりされてるというのは感じていましたが、まるで先生みたいだと驚かされました。

先輩は両手足に麻痺があり、車椅子に乗っています。頑張っている先輩が娘のことを頑張ってるとそんな風に見てくださってると知り、とてもありがたく感じました。娘も先輩と私のやりとりを聞いていて、後で自宅に戻ってから「Nさんに頑張ってると言われるとは思ってなかった。なんか先生みたいなこと言うね。すごいね。」と感心して、その夜はパパにも先輩が先生みたいなことを言ってくれたと報告していました。

入学後半年が過ぎ、今では長女もすっかり学校に慣れ、先輩や同級生、先生方と打ち解けてきたようです。朝も帰りもしっかり声を出して挨拶できています。

先日は学芸発表会があり、長女のクラスは楽器演奏と和太鼓演奏を披露しました。和太鼓を叩くのは生まれて初めてのことで、長女は練習が始まった直後から首を痛めたり、帰って来る度に疲れた疲れたと言ってへたばっていましたが、「クラスのみんなは車椅子に乗ったままで叩いたりするから大変そうだと思うんだけど、よく頑張ってるんだよね。特に一年は私以外元気。」と感心していました。

そして本番、バスで一緒の先輩ともう一人の3年生の二人が演奏前に挨拶をしたのですが、それについて帰宅後に「二人すごく良かったよね。上手に話してた。」と感心していて、先輩方のことをとてもリスペクトしているのが伝わってきました。またさらに演奏も皆さんとても上手にできていましたし、演奏に合わせて通常級の大勢の生徒さん達が観客席から手拍子を打ってくれたり、大きな声で「ドッコイショー!ドッコーイッショ!!」と掛け声を送って盛り上げてくれているのが、なんとも暖かく感じました。

娘は帰宅後、通常級のダンス部のパフォーマンスの感想や吹奏楽部の演奏が初代プリキュアのテーマソングだったからビックリした~ということなど興奮気味に話してくれました。特別支援級と通常級がある学校は、学ぶ教室こそ違うけど、同じ学校で学んでお互い感じることがきっと色々あるのだろうなぁと思いました。それがとても素敵だなぁと感じました。

先月、長女と二人でバスに乗っていた時のことです。途中でどこかの中学生の男子生徒の大群が乗り込んできました。私達は後ろの方の席に乗っていたので、娘は「ちゃんと降りられるかなぁ。。。」と心配しているようでしたが、いざ降りたい停留所に着くと、私よりも大きな声で「すみませ~ん!降ります~!すみませ~ん!」と物怖じせずに先頭を切って降りていったのです。酸素ボンベを持っていた私は娘の後ろをついて、よけてくれている男子中学生達に「ありがとうございます。」と言うだけでした。

それから昨日は、心臓病の保育グループが渋谷区のイベントに参加してバザーを行っていたので、少しお手伝いに行ったのですが、前よりもずっと上手に売り子をしていて一緒についていった次女(小3)の方がもじもじしていてびっくりしました。小さいお客さんにも、大人のお客さんにも堂々と接し、「〇〇もありますよ~」なんておススメまでしていたそうです。

バスに乗り合わせた中学生やバザーのお客さん達の中には娘の鼻についている酸素チューブに驚かれる人も少なくないのですが、娘は全く気にせず、堂々と、積極的に声まで出せるようになって、新境地を開いたなぁと感心しました。特別支援級での日々が娘にとても良い影響を与えてくれています。

特別支援級か普通級か迷っている方がいらっしゃれば、今の時期は来年度に向けてそろそろ決める時期ですね。最初から『楽しい!!』『我が子にピッタリ!!』かどうかなんて行ってみないとわからないですが、少しでもご本人が『良さそう』とか『通ってみたい』と思える学校にチャレンジしてみるのが良いかもしれませんね。障害や何か心配な面があったとしても普通級で楽しく通えていらっしゃる方も大勢います。お子さんにとって良いと思える学校に出会えますように。今日も読んでくださり、ありがとうございました。