手芸が趣味の三姉妹の母Imoanです。運動会の季節ですね。我が家の長女(小5)と次女(小1)の小学校は春にありましたが、三女(年中)の幼稚園では毎年体育の日が運動会です。かけっこの練習をしたり、運動会に関連した歌を歌って気持ちを盛り上げています。
さて、先日もうすぐ運動会を控えた心臓病のお友達(小学1年生)のママから運動に関する質問がありました。うちの長女(小5)に運動制限はあるか?疲れたりやれない競技については自分から申告しているか?というものです。お子さんに病気や障害があると体育や運動会は心配ですね。今日は長女の体育の授業に関するお話をしたいと思います。
長女(小5)は心臓病(両大血管右室起始症DORV)と肺疾患(先天性嚢胞状腺腫様肺奇形CCAM)を持って生まれてきました。生まれた日にお腹の中で嚢胞状の腫瘍に病変してしまっていた左肺の2/3を切除し、心臓は3歳の時にグレン手術という大きな手術を受けています。現在、血中の酸素飽和度は安静にした時で80%前後、動くと70%台、体調を悪化させてしまうと60%台にまで下がります。普段は就寝時のみ酸素吸入をしています。
低酸素血症のため筋力が弱く、俊敏に動くことや、持続して運動することはできません。主治医からは周りの人が平地を歩いているところ、一人だけ高山の上を歩いたり走ったりしているようなものだと言われていますが、非常に疲れやすく回復にも時間がかかる特徴があります。
運動制限について、幼稚園の頃は主治医から特に指示はなくて、本人が出来るところまで運動しても良いということでした。それは幼稚園児くらいの子供は疲れたら座り込むなどして無理はしないだろうからという理由でした。幼稚園の先生方も決して無理をさせることはありませんでしたが、年長の時だけ担任の先生にあまり障害に対する理解が得られなかったように感じたので、運動会のリレーは主治医に相談してドクターストップにしてもらいました。2チームに別れて競争をするので長女も責任を感じて気が重いようでしたが、走るのではなくてゴールのテープを持つ役を与えられて、ホッとして喜んでいました。
小学校に入学すると病気や障害がある場合に、体育の授業で運動をどの程度させても良いかの目安となる学校生活管理指導表を主治医に記入してもらい提出することになります。毎年学年が変わる度に提出しますが、長女は一年生の時から”中等度の運動まで可”と区分されています。ただし備考欄に「本人に疲れた様子が見られた場合は休ませてください。」と記入してもらっています。心臓や肺の状態は中等度の運動まではチャレンジさせても良いという意味ですが、血中の酸素飽和度が低いですし、経験不足もあり、決して中等度の運動をこなせるわけではありません。軽い運動をしただけでハァハァと肩で息をして、すぐに疲れます。
そのため体育の授業や学校の活動の中では、基本的に本人の様子と意思表示を頼りに先生が判断してくれています。一年生の時は「疲れたら先生に言わなくても良いから、そっと集団から離れて休むように。」というルールをもらっていました。二年生以降は長女も話しやすい先生とそうでない先生がいますから、意思表示がはっきりできたわけではないと思います。ただそういう環境で鍛えられながら、5年生になった現在は、体調が悪い時の見学以外はほとんど休むことなくチャレンジしているようです。
体育の授業を見て忘れられないのは、2年生の時の学校公開期間に見学した授業の様子です。跳び箱の飛び方を習得するのが目的の授業で、体育館に先生達が平均台や低い跳び箱を配置して作ったコースを順番にぐるぐる回っていくというものでしたが、その中に体育館正面の舞台に手をついてジャンプして上がるという内容が含まれていました。長女は体も小さいですし、腕の筋力もないので、やる前から出来そうにないことが予想されました。
どうするかな?と見ていましたら、長女は出来ないのですが何度も手をついてジャンプしてトライします。みんな手と足を使ってよじ登り、どの子も何とか自力で上がるのですが、娘だけはどうやっても自力で上がれず、後ろには長蛇の列が出来ていました。担任の先生が娘に「ここは飛ばして良いよ。」と声をかけてくれるのかな?と期待して見ていましたが、担任は近くにやってきません。すると見兼ねた同級生の女の子達何人かが舞台の上から長女の腕を引っ張って引き挙げてくれていました。そしてまた二回目に舞台の前へ回ってきた時、娘が何度もピョンピョンと上がれないのにトライしていると、今度は後ろに並んでいた男の子達が抱っこしたり、お尻を押し上げたりして舞台へ上げてくれました。3回目は隣のクラスの先生が気が付いて持ち上げてくれていました。
その様子を遠くから見ていて、胸がキューっとなりました。長女に到底出来そうにない運動は「飛ばしていい」と担任の先生に言ってもらいたかったなぁ…という甘えた気持ちが私にはありました。しかし、そんな判断は先生に出来ないのかもしれないし、長女がみんなの力を借りながらチャレンジできたのはとても有難かったですし、私には遠くで他のお母さん達と一緒に見守るしかできませんでした。授業の最後は同級生と一緒に重たい用具の片付けも頑張っていました。ハンデがあるというのはこういうことなんだと思い知らされたような気がしました。
人間たくましくなっていくもので、今でも体育の授業では出来ないことも多いそうですが、先生に手伝ってもらって出来たとか、友達に教えてもらって出来るようになったとか、体育はしんどいけどまぁ楽しい時もあるなんて言います。また体育以外でも体育朝会とか縦割り班遊びと呼ばれる体を動かす活動が全校生徒を対象に行われる日もあり、季節によって長縄やマラソンなど色々な運動にチャレンジしているようです。無理のない程度に運動を楽しんでもらいたいです。次回は運動会について書きたいと思います。
今日も読んでいただきありがとうございました。